外見が醜いという観念にとらわれて、人と会うのが苦痛で家に引きこもるために、
学校にも通えなくなったり、仕事にも就けなくなったりする青年が増えてきています。
精神医学的にはナルシシズムの病理と考えられています。
治療のヒントは、ナルシシズムの用語の由来になったギリシア神話のナルキッソス青年の話に行きつきます。
顔立ちの美しいナルキッソスは言い寄る女性を冷たくあしらったために、罰を受けて、
水面に映る自分の顔のとりこになって、死んでいくという物語です。
人間は自分の顔を知るのに鏡が必要です。
同じように外見以外の自分のことを知るのには、他者を必要とします。
この他者の存在が心理療法(カウンセリング)の出発点になります。
他者、すなわちカウンセラーとの対話のなかで人を愛すること、人に愛されることの大切さを学び、
外見へのとらわれから脱出できると思います。
勇気を出して、心理療法を受けられると迷路から脱け出せる日が来ます。
精神医療相談室ドンマイ